梅雨なるとカタツムリやナメクジを見かけることが多くなるかと思いますが、この2匹ってよく似ていますよね。
おそらく誰でも一度はカタツムリの殻を取ったらナメクジになると思ったことがあるのではないでしょうか。
実際のところ、私も子供の頃はナメクジの中で殻を手に入れたものだけがカタツムリになれると思っていましたからねぇ。今でも具体的な違いはさっぱり分からず...。
で、先日ちょうど庭にナメクジがいたので、家族にカタツムリとの違いを知っているか聞いたところ「カタツムリは人から好かれるけど、ナメクジは嫌われる」という斜め上の答えが返ってきてしました...。
というわけで、これを機に違いをはっきりさせようと色々と調べてみました。本日は私が調べた結果をシェアしたいと思います。
ナメクジとカタツムリの違い
まず初めに結論を申しますと、ナメクジとカタツムリの違いは
- 殻があるかないか
です。
見た目のままじゃん!と思われてしまいそうですが、実際のところコレが最大の違いなんですよねぇ。
ただ、だからと言ってカタツムリの殻を外したらナメクジになるわけではありませんよ。両者はそれぞれ別の生き物で、殻があるのがカタツムリ、無いのがナメクジです。
では、生物学上はどのような分類になるのか、もう少し詳しく見ていきましょう〜
生物学上の分類は?
まず、生物学上はナメクジ、カタツムリどちらも腹足綱(ふくそくこう)というところに属します。
これは、簡単に言うと巻貝の仲間で、サザエやアワビなどもこの腹足綱なんですよね。
なので、かなり大きく括るとカタツムリもナメクジも巻貝の仲間です。
そして、カタツムリとナメクジは、さらに腹足綱の中の有肺目(ゆうはいもく)に分類されます。
有肺目は簡単に言うと、
- 陸地に住んでいる
- 触覚があり先端に目が付いている
などの特徴を持つものです(例外あり)。なので、海の中で暮らしているサザエやアワビとは、ここで分類が異なりますね。
そして、最後にナメクジは「ナメクジ科」、カタツムリは「マイマイ科」に分類されます。
で、この2つの科
- ナメクジ科
- マイマイ科
を分けるポイントが、殻があるかないかなんですよねぇ。
つまり、生物学上はナメクジもカタツムリも比較的近い生き物ではあるけど、最後の最後で殻の有無によって分類が異なるというわけです。
ただ、そもそもナメクジには殻がないのに、どうして巻貝の仲間の腹足綱に属しているのでしょうか。
なぜナメクジは殻がないのに巻貝の仲間?
殻がないのにナメクジが巻貝の仲間(腹足綱)に属している理由は、
- カタツムリが進化したものだから
です。
まさか、ナメクジがカタツムリの進化系だったなんて...。普通はどう考えても逆ですよね。
ですが、実際にはカタツムリの殻が進化の過程で退化したのがナメクジらしいです。
「進化の過程で退化した」って...もはや進化なのか退化なのかわからない。(汗)ですが、カタツムリが巻貝の仲間だから、そこから進化したナメクジも巻貝の仲間とうことらしいです(殻がなくても)。
ちなみに、カタツムリがナメクジに進化した理由は、
- 動きやすくるため
- より狭い場所に入るため
だそうです。
たしかに背負っているリュックを捨てれば動きやすくなりますが、個人的にはどちらも大して変わらないほど鈍足というイメージなんですよね。
あっ、でもナメクジはレンガや鉢植えの下で見かけることが多いので、これは進化の結果勝ち得たものというべきかもしれません。
さて、ナメクジとカタツムリの唯一の違いは殻の有無であることを解説してきました!お次は、このカタツムリだけが持っている殻について少し解説したいと思います。
カタツムリの殻はどうなってるの?
先ほど、「カタツムリの殻を外してもナメクジにはならない」と言いましたが、実はそもそもカタツムリの殻って外れないらしいんですよねぇ。
というのも、アレって体の一部なんだそうです。個人的にはとても衝撃的でした。
てっきり、体が大きくなったら定期的にお引越しする、いわゆるヤドカリ式かと思っていたので...。
で、殻は体と一部なので、例えば傷ついても数日で回復しますし、また、殻の中には内臓が詰まっているので、無理やり外そうとすると死んでしまうそうです...。
もしかしたらナメクジになるかも!と思ってカタツムリの殻を外すようのかとは止めましょう。くどいようですが、カタツムリはカタツムリです...。
さて、ここまでナメクジとカタツムリの違いについて書いてきましたので、最後に共通点について少し触れたいと思います。
両者の共通点は?
さて、ナメクジとカタツムリの共通点ですが、唯一の違いが殻の有無ですので、言ってしまえばそれ以外のことはだいたい共通なんですよねぇ。
まず、どちらも
- 寒さ
- 乾燥
に弱いです。
ナメクジもカタツムリも体のほとんどが水分ですので、あまり乾燥した場所だと死んでしまうんだそう。
また、寒さにも弱いため、冬になるとカタツムリは殻の中、ナメクジは落ち葉の下で凌ぐんだそうです。ナメクジ...やっぱり殻は必要だったんじゃないですかね...。
そして、皆さん意外に思われるかもしれませんが、どちらも塩で溶けます。
塩で溶けると言ったらナメクジですが、実はカタツムリも同じく塩で溶けるんですよね。何せ、殻の有無以外は同じなんですから。
- ちなみに・・・
ナメクジが塩で溶けるのは、ほとんどの方が知っているかと思いますが、その原理まで知っている人は少ないのではないでしょうか。
ナメクジが塩で溶ける理由については、こちらの記事で詳しく解説していますので、宜しければご覧になって下さい。
最後に
いかがでしたでしょうか。ナメクジとカタツムリの違いについて解説してきました!
最後にもう一度要点をまとめますと、
さらに、腹足綱の中の有肺目に属するのも共通。
ただし、その先は、
- ナメクジは「ナメクジ科」
- カタツムリは「カタツムリ科」
に属するという違いがある。そして、その2つの科の違いは殻があるかないか。
つまり、どちらも似たような生き物ではあるが、唯一殻の有無という違いがある。
ということでしたね!
ナメクジとカタツムリの違いが、殻があるかないかだけというのは、何というかそのままな気がしましがた、まさかナメクジがカタツムリの進化系というのは驚きでした。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!少しでもお役に立ちましたら幸いです^ ^