「立夏(りっか )」という言葉を聞いたことがありますか。
なんとなく夏っぽいイメージがしますが、この言葉は一年のある時期を指します。
では、立夏とはいつのことなのでしょう。
また、そもそも立夏の意味とはなんでしょう。
今日は立夏についてあれこれ書いてみたいと思います。
立夏とは?
立夏とは、「二十四節気(にじゅうしせっき)」の1つです。
二十四節気という言葉は、聞いたことない方が多いかもしれませんね。
これは、一年を24の季節に分けて、それぞれの気候に合った名前をつけたものです。
「春分」や「秋分」という言葉を聞いたことがありませんか?
これらも、二十四節気の1つなんですよ。
二十四節気は、第1の節気の「立春」から始まり、一年かけて24の節気の周ります。
立夏はその中の第7の節気になります。
立夏はいつ?
2018年の立夏は5月5日になります。
ですが、立夏はいつ?という答えには以下の3つの答え方があるんですよね。
①特定の瞬間を指す場合
②特定の日を指す場合
③特定の期間を指す場合
これら3つです。
順番に説明していきますね。
特定の瞬間を指す場合
まず、特定の瞬間を指す場合です。
これは少し天文学的な話になってしまいますが、できるだけ簡単に分かりやすく説明してみます。
皆さんご存知の通り、私たちの暮らしている地球は、一年かけて太陽の周りを一周します。
でも、これは太陽を中心に考えた場合の話で、私たちから見たら太陽が地球の周りをぐるぐると回っているように感じますよね。
で、このように太陽が地球の周りを回っていると考えた場合の太陽の通る道を「黄道(こうどう)」と言います。
二十四節気は、この黄道を24分割して15度、30度、45度というふうに、15度ずつ名前を付けたものです。
立夏はこのうち、45度の位置です。
つまり、太陽が黄道上をぐるぐると回り、45度の地点を通過した瞬間が立夏というわけです。
ちなみに、0度は「春分」、90度は「夏至」、180度は「秋分」、270度は「冬至」の位置になります。
特定の日を指す場合
続いて、特定の日を指す場合です。
これはとても簡単で、先ほど説明した➀の瞬間を含む1日です。
この日にちは、年によって微妙に変わるのですが、5月5日前後であることがほとんどです。
参考までに、2030年までの立夏の日にちを載せておきます。
2018年 | 5月5日 | 2025年 | 5月5日 |
2019年 | 5月6日 | 2026年 | 5月5日 |
2020年 | 5月5日 | 2027年 | 5月6日 |
2021年 | 5月5日 | 2028年 | 5月5日 |
2022年 | 5月5日 | 2029年 | 5月5日 |
2023年 | 5月6日 | 2030年 | 5月5日 |
2024年 | 5月5日 |
日にちの計算方法
実は、毎年の立夏の日にちは計算で出すことができます。
方法はとても簡単で、西暦の下2桁を4で割ります。
そして、その余りの数で以下のように決まります。
・余りが0,1,2のとき・・・5月5日
・余りが3のとき ・・・5月6日
ただし、この方法は2039年までしか使えないので、ご注意ください。
2040年から2071年までは、西暦に関係なく常に5月5日になります。
特定の期間を指す場合
最後に特定の期間を指す場合です。
これは、立夏からその次の節気の「小満(しょうまん)」までです。
小満も年によって微妙に変わりますが、5月21日前後であることがほとんどです。
つまり、立夏を期間でいうときは、5月5日から5月20日までの約2週間ということになりますね。
以上が3つの解釈の仕方です。
日常で使うのは②か③がほとんどで、①の瞬間を指す場合は殆ど使わないかもしれませんね。
5月なのに夏?
立夏とは、「夏が立つ」と書きます。
つまり、夏の始まりを意味する言葉で、暦の上では立夏を過ぎると夏になります。
「野山では木々の緑が鮮やかになり、少しずつ夏の訪れを感じられる頃」とされています。
ですが、ちょっと待ってください。
夏の始まりが、5月5日というのは随分と早いような気がしませんか?
5月上旬といえば、まだゴールデンウィークが明けて間もない頃ですよね。
まだまだ、夏は遠いように感じます。
実際、私たちの感覚だと、梅雨が明けてからがようやく夏という気がしますよね。
では、なぜこのように私たちの季節感とズレがあるのでしょうか。
その理由は、二十四節気の起源にあります。
実は、二十四節気が作られたのは、今から約2600年前の中国の黄河地方という場所なのです。
つまり、今の日本とは気候が違う場所で作られたんですよね。
実際、古代中国では5月の初め頃から気温が上がり、夏を感じるような気候だったようです。
二十四節気が中国から日本に伝わった時に、私たちの季節感に合うように修正すればよかったのですが、当時の人たちはそのまま採用してしまったというわけです。
納得ですね。
七十二候
立夏は二十四節気の1つなので、その期間は約2週間と短いですが、実はそれをさらに3分割した「七十二候(ななじゅうにこう)」というもがあります。
これは、1年を72の季節に分けているので、1つの期間が約5日ととても短いです。
おそらく日常生活で使うことは殆どありませんが、ここで紹介しておきたいと思います。
立夏 5月5日〜5月20日 | 蛙始鳴 | かわずはじめてなく | 5月5日〜5月9日 |
蚯蚓出 | みみずいずる | 5月10日〜5月14日 | |
竹笋生 | たけのこしょうず | 5月15日〜5月20日 |
・蛙始鳴(かわずはじめてなく)・・・カエルが鳴き始める頃
・蚯蚓出(みみずいずる)・・・土の中のミミズが目を覚まして、地上に這い出てくる頃
・竹笋生(たけのこしょうず)・・・タケノコが生えてくる頃
いかがでしたでしょう。
二十四節気の1つ「立夏」について書いてみました。
参考になりましたら幸いです。