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セミの寿命はなぜ短いと言われる?実は短命どころか長寿だった!?

投稿日:2018年4月17日 更新日:

夏になると、あちこちでセミが鳴き始めますが、皆さんはセミに対してどんなイメージを持っているでしょうか。

人によって、

  • うるさい
  • 怖い
  • 何てことない

など、色々あるかと思いますが、1つ「寿命が短い」というのもよく言われますよね。

私は小さい頃から、

  • 「セミさんは、2週間しか生きられないからね」
  • 「いやいや、セミの寿命は1週間だよ」
  • 「んなわけない、セミは1日で死ぬ」

とあれこれ教えられ、一体何が本当なのか分かりませんでしたが、とにかくセミの命は儚いもの、そしてセミは昆虫界きっての短命だと思い続けてきました。

ただ実際のところ、セミの寿命って本当に1週間程度なのかなと思い、調べてみたんですよね。そしたら、衝撃の事実が判明いたしました...。

というわけで本日は、私が調べた結果をシェアしたいと思います。

アブラゼミ
今日は僕も一緒に解説していくよ〜
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セミの本当の寿命って?

えーっと、まずセミの本当の寿命ですが、1週間でも2週間でもありません...。

  • 平均で約6年です。

か、かなり長生きですねー。あっ、ただ6年間もミンミン鳴き続けるわけではありませんよ(汗)

というのも、そもそも寿命とは命のある期間のことです。セミで言えば、卵がかえってから死ぬまでですね。

で、セミって成虫として地上を飛び回る前は、土の中で幼虫として過ごしているんです。つまり、幼虫と成虫の合計期間が、セミの寿命ということですね。

アブラゼミ
その通り!セミの寿命は短いと言われるけど、正確にはセミの成虫の寿命が短いんだ。だから、僕たちは実は結構長生きなんだよね〜

ちなみに他の昆虫と比較してみると、

  • バッタ・・・5ヶ月
  • カブトムシ・・・1年
  • トンボ・・・1年
  • クワガタ・・・3年

なので、セミはかなり長寿だと言えますねぇ。

では、

  • 幼虫
  • 成虫

に分けて、それぞれの期間をより詳しく見ていきましょう。

幼虫の期間

まず、セミの幼虫の期間ですが、これは種類によってまちまちです。ということで、日本でよく見られる

  • アブラゼミ
  • ミンミンゼミ
  • クマゼミ
  • ツクツクボウシ
  • ヒグラシ

の5種類を比較してみるとこんな感じです。

セミの種類幼虫の期間成虫の大きさ
アブラゼミ5年〜6年約60mm
ミンミンゼミ3年〜4年約60mm
クマゼミ4年〜5年約70mm
ツクツクボウシ2年〜3年約45mm
ヒグラシ3年〜4年約45mm

こうして見ると、体の大きなセミほど地中にいる期間が長そうですね。

ちなみに...
北アメリカには、土の中で17年間過ごすセミがいるんですって(汗)

その名も

  • 17年ゼミ

(そのまま...)

このセミは名前の通り、17年周期で大量発生するらしく、別名「周期ゼミ」と呼ばれているんだとか。

た、確かに怖すぎますね...こんなのが大量発生したらと考えると...

アブラゼミ
海外には物凄いのがいるんだね...。
僕たちの3倍の期間、土の中にいるなんて信じられないよ(汗)

では、続いて成虫の期間を見ていきましょう。

成虫の期間

さて、この成虫の期間が一般的に短いと言われていますが、実はコレも1週間でも2週間でもありません...。

  • 1ヶ月〜2ヶ月だそうです。

えーー、けっこう違う。というか全然違いますねぇ。誰ですか、セミは1日しか生きられないとか言ったのは...。

ただ、私たちの中ではセミの寿命は1,2週間というのがもはや定説になっていますよね。

アブラゼミ
むしろ僕たちは、1,2週間と思われていたことにビックリだよ。
実際は、1,2ヶ月生きてるのに...

では、どうして実際の寿命よりもだいぶ短く言われているでしょうか。

成虫の寿命が1,2週間と言われる理由

実はコレ、私たち人間のせいだったりするんですよねぇ(汗)どういうことかと言いますと、小さな子どもって虫を捕まえてきたら「家で飼いたい!」と言うことが多いかと思います。(カブトムシ、クワガタetc.)

ただ、セミの成虫って他の虫に比べて物凄く飼育が難しいんですよね。

理由の1つはエサで、セミは基本的には樹液しか吸いません。

「でも、それならカブトムシも樹液を吸ってるよ」と思いますよね。確かに、カブトムシも樹液を吸いますが、こんな違いがあります。

  • カブトムシ・・・木から染み出した樹液を食べる
  • セミ・・・木に針(口)を刺して、直接樹液を吸う

なので、カブトムシでしたら市販の昆虫用ゼリーとかでも良いのですが、セミは本物の生きた木じゃないとダメなんですよねぇ。

また、家で飼う以上は虫かごかなんかに入れると思いますが、セミはバタバタと飛ぶので頭ぶつけまくるそうです。

で、結果的に

  • 栄養不足
  • 身体的ダメージ

などの理由で、早死にしてしまうそう...。

ただ、飼っている人はこれを本来の寿命だと思い、2週間で死んだら「セミの寿命は2週間だ!」、翌日に死んだら「セミの寿命は1日だ!」となり、結果的に本来の寿命よりも短くなったわけです。

アブラゼミ
分かってくれたかな。だから自然界で天寿を全うしたら、1,2ヶ月は生きられるんだよね...(涙)

そ、そうなんですね...なんか申し訳ありません。

もし、セミを飼育しようと思ったら、できるだけ自然に近い環境を作らなくてはいけませんね。それこそ、庭の木を丸ごとネットで囲うぐらいしないと、セミはストレスを感じてしまいそうです。。

セミは暑さに弱い?

セミの成虫の寿命が短く言われる理由を解説しました。

ただ、実際の寿命も1ヶ月〜2ヶ月とだいぶ開きがありますよね。これはには、気温が大きく関係しているんだそうです。

というのも、セミって暑いのが苦手らしいんですよねぇ。夏の虫だから、てっきり暑さにはめっぽう強いかと思っていましたよ(汗)

アブラゼミ
そ、そんなことないよ。人間だってあまりに暑いとぐったりするでしょ。僕たちセミをそれと同じだよ。

な、なるほど...。

で、8月の暑い時期に成虫になったセミは比較的寿命が短く、暑さの弱まった9月ごろに成虫になったセミは長生きするんだそうです。

地上に出るのが早いかどうかで、寿命が大きく変わってしまうんですね。ちょっと切ないです...(汗)

さて、ここまで

  • セミの本当の寿命は約5年
  • 成虫の寿命は1,2ヶ月

という話をしてきましたね。

では、どうして一生の大半を地中で過ごしているのでしょう。最後にそれを解説したいと思います。

セミが人生の大半を地中で過ごす理由

これは、土の中が安全だからです。

セミの天敵は、

  • クモ
  • 鳥類
  • スズメバチ

などですが、羽のない幼虫が地上のノロノロ歩いていると、かっこうのエサになってしまいます。(羽があれば安全とも言えませんが...。)

そこで、成虫になるまで地中でじっとしていることを覚えたわけですね。

「だったら早く成虫になって、少しでも外で過ごせる時間を長くしたら良いのに...」と思いますよね。ところが、そうもいかないんです。。

先ほどセミの成虫は樹液しか吸わないと言いましたが、これは幼虫も同じで、幼虫は木の根っこから樹液を吸っているんですよねぇ。

で、樹液ってほとんど栄養が無いんです。つまり、成虫になるまでかなり時間がかかってしまうんですよねぇ...。

どれくらい時間がかかるかと言いますと、先ほど表でお見せした通りです。

セミの種類幼虫の期間成虫の大きさ
アブラゼミ5年〜6年約60mm
ミンミンゼミ3年〜4年約60mm
クマゼミ4年〜5年約70mm
ツクツクボウシ2年〜3年約45mm
ヒグラシ3年〜4年約45mm

つまり、成虫になる準備をしていたら、結果的に寿命の大半を土の中で過ごしてしまった...というわけなんですねぇ。で、地上に出る頃には、もうわずかの命しか残っていないと...。

ちなみに、これを人間で例えると、80年の寿命のうち78年を土の中で過ごすのと同じなんですよね(汗)なんとも、切なくなってきました。

アブラゼミ
そうなんだ。僕たちは人生のほとんどをじっと我慢して過ごしてる。
自由に動ける時間はとても貴重なの。
だから、見つけてもできるだけ捕まえないで、そっとしておいてくれると嬉しいな。

まとめ

いかがでしたでしょうか。セミの寿命について解説してきまました。

幼虫の期間も含めた寿命は約5年と非常に長いですが、そこから考えると成虫の1,2ヶ月はやはり短いですよね。(一般的に言われている1,2週間ではないにせよ)

ということで、できるだけ寿命を全うできるように、見つけてもそっとしておこうと思います...。

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。少しでもお役に立ちましたら幸いです。

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