夏になると、あちこちでセミが鳴き始めますが、皆さんはセミに対してどんなイメージを持っているでしょうか。
人によって、
- うるさい
- 怖い
- 何てことない
など、色々あるかと思いますが、1つ「寿命が短い」というのもよく言われますよね。
私は小さい頃から、
- 「セミさんは、2週間しか生きられないからね」
- 「いやいや、セミの寿命は1週間だよ」
- 「んなわけない、セミは1日で死ぬ」
とあれこれ教えられ、一体何が本当なのか分かりませんでしたが、とにかくセミの命は儚いもの、そしてセミは昆虫界きっての短命だと思い続けてきました。
ただ実際のところ、セミの寿命って本当に1週間程度なのかなと思い、調べてみたんですよね。そしたら、衝撃の事実が判明いたしました...。
というわけで本日は、私が調べた結果をシェアしたいと思います。
セミの本当の寿命って?
えーっと、まずセミの本当の寿命ですが、1週間でも2週間でもありません...。
- 平均で約6年です。
か、かなり長生きですねー。あっ、ただ6年間もミンミン鳴き続けるわけではありませんよ(汗)
というのも、そもそも寿命とは命のある期間のことです。セミで言えば、卵がかえってから死ぬまでですね。
で、セミって成虫として地上を飛び回る前は、土の中で幼虫として過ごしているんです。つまり、幼虫と成虫の合計期間が、セミの寿命ということですね。
ちなみに他の昆虫と比較してみると、
- バッタ・・・5ヶ月
- カブトムシ・・・1年
- トンボ・・・1年
- クワガタ・・・3年
なので、セミはかなり長寿だと言えますねぇ。
では、
- 幼虫
- 成虫
に分けて、それぞれの期間をより詳しく見ていきましょう。
幼虫の期間
まず、セミの幼虫の期間ですが、これは種類によってまちまちです。ということで、日本でよく見られる
- アブラゼミ
- ミンミンゼミ
- クマゼミ
- ツクツクボウシ
- ヒグラシ
の5種類を比較してみるとこんな感じです。
セミの種類 | 幼虫の期間 | 成虫の大きさ |
---|---|---|
アブラゼミ | 5年〜6年 | 約60mm |
ミンミンゼミ | 3年〜4年 | 約60mm |
クマゼミ | 4年〜5年 | 約70mm |
ツクツクボウシ | 2年〜3年 | 約45mm |
ヒグラシ | 3年〜4年 | 約45mm |
こうして見ると、体の大きなセミほど地中にいる期間が長そうですね。
その名も
- 17年ゼミ
(そのまま...)
このセミは名前の通り、17年周期で大量発生するらしく、別名「周期ゼミ」と呼ばれているんだとか。
17年ゼミ、見た目が怖すぎる…… pic.twitter.com/tcS6B3pr5P
— 地獄 (@narok___) 2017年8月3日
た、確かに怖すぎますね...こんなのが大量発生したらと考えると...
僕たちの3倍の期間、土の中にいるなんて信じられないよ(汗)
では、続いて成虫の期間を見ていきましょう。
成虫の期間
さて、この成虫の期間が一般的に短いと言われていますが、実はコレも1週間でも2週間でもありません...。
- 1ヶ月〜2ヶ月だそうです。
えーー、けっこう違う。というか全然違いますねぇ。誰ですか、セミは1日しか生きられないとか言ったのは...。
ただ、私たちの中ではセミの寿命は1,2週間というのがもはや定説になっていますよね。
実際は、1,2ヶ月生きてるのに...
では、どうして実際の寿命よりもだいぶ短く言われているでしょうか。
成虫の寿命が1,2週間と言われる理由
実はコレ、私たち人間のせいだったりするんですよねぇ(汗)どういうことかと言いますと、小さな子どもって虫を捕まえてきたら「家で飼いたい!」と言うことが多いかと思います。(カブトムシ、クワガタetc.)
ただ、セミの成虫って他の虫に比べて物凄く飼育が難しいんですよね。
理由の1つはエサで、セミは基本的には樹液しか吸いません。
「でも、それならカブトムシも樹液を吸ってるよ」と思いますよね。確かに、カブトムシも樹液を吸いますが、こんな違いがあります。
- カブトムシ・・・木から染み出した樹液を食べる
- セミ・・・木に針(口)を刺して、直接樹液を吸う
なので、カブトムシでしたら市販の昆虫用ゼリーとかでも良いのですが、セミは本物の生きた木じゃないとダメなんですよねぇ。
また、家で飼う以上は虫かごかなんかに入れると思いますが、セミはバタバタと飛ぶので頭ぶつけまくるそうです。
で、結果的に
- 栄養不足
- 身体的ダメージ
などの理由で、早死にしてしまうそう...。
ただ、飼っている人はこれを本来の寿命だと思い、2週間で死んだら「セミの寿命は2週間だ!」、翌日に死んだら「セミの寿命は1日だ!」となり、結果的に本来の寿命よりも短くなったわけです。
そ、そうなんですね...なんか申し訳ありません。
もし、セミを飼育しようと思ったら、できるだけ自然に近い環境を作らなくてはいけませんね。それこそ、庭の木を丸ごとネットで囲うぐらいしないと、セミはストレスを感じてしまいそうです。。
セミは暑さに弱い?
セミの成虫の寿命が短く言われる理由を解説しました。
ただ、実際の寿命も1ヶ月〜2ヶ月とだいぶ開きがありますよね。これはには、気温が大きく関係しているんだそうです。
というのも、セミって暑いのが苦手らしいんですよねぇ。夏の虫だから、てっきり暑さにはめっぽう強いかと思っていましたよ(汗)
な、なるほど...。
で、8月の暑い時期に成虫になったセミは比較的寿命が短く、暑さの弱まった9月ごろに成虫になったセミは長生きするんだそうです。
地上に出るのが早いかどうかで、寿命が大きく変わってしまうんですね。ちょっと切ないです...(汗)
さて、ここまで
- セミの本当の寿命は約5年
- 成虫の寿命は1,2ヶ月
という話をしてきましたね。
では、どうして一生の大半を地中で過ごしているのでしょう。最後にそれを解説したいと思います。
セミが人生の大半を地中で過ごす理由
これは、土の中が安全だからです。
セミの天敵は、
- クモ
- 鳥類
- スズメバチ
などですが、羽のない幼虫が地上のノロノロ歩いていると、かっこうのエサになってしまいます。(羽があれば安全とも言えませんが...。)
そこで、成虫になるまで地中でじっとしていることを覚えたわけですね。
「だったら早く成虫になって、少しでも外で過ごせる時間を長くしたら良いのに...」と思いますよね。ところが、そうもいかないんです。。
先ほどセミの成虫は樹液しか吸わないと言いましたが、これは幼虫も同じで、幼虫は木の根っこから樹液を吸っているんですよねぇ。
で、樹液ってほとんど栄養が無いんです。つまり、成虫になるまでかなり時間がかかってしまうんですよねぇ...。
どれくらい時間がかかるかと言いますと、先ほど表でお見せした通りです。
セミの種類 | 幼虫の期間 | 成虫の大きさ |
---|---|---|
アブラゼミ | 5年〜6年 | 約60mm |
ミンミンゼミ | 3年〜4年 | 約60mm |
クマゼミ | 4年〜5年 | 約70mm |
ツクツクボウシ | 2年〜3年 | 約45mm |
ヒグラシ | 3年〜4年 | 約45mm |
つまり、成虫になる準備をしていたら、結果的に寿命の大半を土の中で過ごしてしまった...というわけなんですねぇ。で、地上に出る頃には、もうわずかの命しか残っていないと...。
ちなみに、これを人間で例えると、80年の寿命のうち78年を土の中で過ごすのと同じなんですよね(汗)なんとも、切なくなってきました。
自由に動ける時間はとても貴重なの。
だから、見つけてもできるだけ捕まえないで、そっとしておいてくれると嬉しいな。
まとめ
いかがでしたでしょうか。セミの寿命について解説してきまました。
幼虫の期間も含めた寿命は約5年と非常に長いですが、そこから考えると成虫の1,2ヶ月はやはり短いですよね。(一般的に言われている1,2週間ではないにせよ)
ということで、できるだけ寿命を全うできるように、見つけてもそっとしておこうと思います...。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。少しでもお役に立ちましたら幸いです。