みなさん、霜降(そうこう)という言葉を聞いたことがありますか?普段は、なかなか耳にしないと思いますが、この言葉は一年の中のある時期を指します。
かつて、農耕が生活の中心だった時代には、季節の変化を知るのにとても重要な言葉でしたが、今ではすっかり使われなくなってしまいました。
というわけで本日は、
- 霜降とは何か
- 2018年の霜降はいつか
- 霜降という言葉の意味
- 霜降の時期にオススメの食べ物
について書いていきたいと思います。どうぞ最後までお付き合いください。
霜降とは?
霜降とは、二十四節気(にじゅうしせっき)の一つです。二十四節気というのも聞いたことない方が多いかもしれませんね。
これは1年を24の季節に分割して、それぞれの季節にあった名前を付けたものです。
「春分」や「秋分」という言葉を聞いたことがありませんか?これらも二十四節気の1つなんですよ。
二十四節気は、第1の節気「立春」から始まって、1年かけて24の節気を巡ります。霜降はその中の18番目の節気になります。
私たちは、普段は春夏秋冬の4つの季節に分けて生活しているので、24もあるとちょっと戸惑ってしまいそうですよね。ちなみに二十四節気は1つの季節が約2週間という短さです。
2週間ごとに季節が変わるなんて信じられませんよね...。
そんな二十四節気の作られた理由・起源についてはこちらの記事をご覧ください。
2018年の霜降はいつ?
では、霜降とはいつのことを指すのか見ていきましょう。まず2018年の霜降の日ですが、、
2018年の霜降は「10月23日」です!
ただ、ちょっと待ってください。初めに説明した通り、霜降は期間を表す言葉です。また、日にちや期間だけでなく、特定の「瞬間」を指すこともあるんです。
つまり、霜降は以下の3つの時を表すということなります。
- 特定の瞬間
- 特定の日にち
- 特定の期間
順番に見ていきますね。
特定の瞬間
まずは、「特定の瞬間」を表す場合です。これは天文学的な話になってしまいますが、できるだけ簡単に説明しますね。
皆さんご存知の通り、私たちの暮らしている地球は、一年かけて太陽の周りを一周しますよね。ですが、これは太陽を中心に考えた場合の話で、私たちから見たら、太陽が地球の周りをぐるぐると周っているように感じますよね。
で、このように太陽が地球の周りを周っていると考えた時の太陽の通り道のことを「黄道(こうどう)」と言うんです。二十四節気は、この黄道を24分割して、0度,15度,30度,45度というように、15度ずつの位置に名前を付けたものなんです。
寒露はこの中の210度の位置になります。つまり、太陽が黄道上をぐるぐると周り、210度の位置を通過した瞬間が寒露というわけです。
ちなみに、皆さんももよく知っている「春分」「夏至」「秋分」「冬至」は、黄道上では以下の位置になります。
- 春分・・・0度
- 夏至・・・90度
- 秋分・・・180度
- 冬至・・・270度
特定の日にち
続いて「特定の日にち」を表す場合です。これはとても簡単で、上で説明した210度の位置を通過する瞬間を含む1日になります。例えば、210度の位置を通過するのが
- 10月23日23時55分 → 霜降は10月23日
- 10月24日0時2分 → 霜降は10月24日
という感じです。で、2018年は「10月23日20時23分」に通過します。なので霜降は10月23日になるわけですね、
ちなみに、今年や来年だけでなく、何十年も先まで霜降の日にちは決まっています。これは太陽の動きが全て計算で分かってしまうからなのですが、本当に今の技術はすごいですよね。
特定の期間
最後に「特定の期間」を表す場合です。これは10月23日から、次の節気の「立冬」までです。立冬の日にちも年によって変わりますが、11月7日前後であることがほとんどです。
つまり、霜降を期間で表すときは、10月23日から11月6日までの約2週間ということになりますね。
3つの時の表し方を説明してみました。と言っても、実際に使うのは、日にちか期間を表すときで、特定の瞬間を表すのに使うことはほとんど無さそうですね。
霜降の意味は?
次に霜降の意味を見ていきましょう。
霜降は「霜が降りる」と書きますよね。この言葉通り、「朝に霜が降りる季節」という意味です。
霜降の1つ前の節気は「寒露(かんろ)」と言うのですが、名前に「露(つゆ)」という漢字が使われていますよね。この露は、朝に草木などに付着している露のことです。
朝の冷え込みが厳しくなると、この露は霜へと変わります。なので霜降は本格的に冬が始まる時期と言えますね。
霜が初めて降りることを「初霜(はつしも)」と言いますが、例年、東京では11月の下旬です。先ほど紹介した霜降の時期のはズレていますよね。これは、二十四節気が旧暦をもとにして作られているためです。
七十二候
先ほど説明した通り、霜降は二十四節気の1つなので、その期間は約2週間ととても短いですが、実はそれよりもさらに短く一年を分けた「七十二候(ななじゅうにこう)」と言うのもあるんですよ。これは一年を72の季節に分けているので、1つの季節はなんと約5日!とても短いですよね。
この七十二候によって、霜降もさらに3つの季節に分かれますので、それを紹介しますね。
霜降 10月23日〜11月6日 | 霜始降花 | しもはじめてふる | 10月23日〜10月27日 |
霎時施 | こさめときどきふる | 10月28日〜11月1日 | |
楓蔦黄 | もみじつたきばむ | 11月2日〜11月6日 |
・霜始降花(しもはじめてふる)・・・山里に霜が降り始める頃。草木や作物を枯らす霜を警戒する時期です。
・霎時施(こさめときどきふる)・・・ときどき小雨が降る頃。ひと雨ごとに気温が下がっていく時期です。
・楓蔦黄(もみじつたきばむ)・・・楓(かえで)や蔦の葉が色づく頃。晩秋の山々は赤や黄に彩られ、紅葉狩りの季節です。
どうでしょう。どれも漢字ばかりで難しそうですよね ^^; これを昔の人は日常生活で使っていたと思うとすごいの一言です。今の時代では、あまり出番は無さそうですね...。
霜降にオススメの食べ物
霜降は行事ではないので、「年越しそば」や「恵方巻き」のように、これを食べなきゃ寒露じゃない!みたいなのはありません。なので、寒露の頃に旬を迎えるものがオススメです!
霜降の時期にオススメなのは、
- サケ
- 柿
- さつまいも
です。
この時期は、産卵のためにサケが川に戻ってくきます。川をのぼる前のサケは体力があり脂ものっているので「目近」と呼ばれていて、高い値段が付けられます。
また、この時期のサケには、卵である筋子があり、それをほぐしたものが皆さんご存知のイクラです。サケにはDHAやEPAをはじめとして、美肌効果のあるアスタキチンサンなど、栄養が豊富に含まれていますよ!
柿の木は、田舎に行けば庭に生えているのをよく見かけますよね。それくらい古くから日本人の生活に根付いた果物です。そのため、調理法もそのまま食べるだけでなく、干し柿やお菓子として保存できるように工夫が重ねられてきました。
柿はビタミンCを豊富に含んでいます。どのくらい豊富かと言いますと、柿1個で1日に必要な量をまかなえるくらいだとか!ビタミンCには二日酔い防止の効果もあるので、飲み過ぎてしまった日にはオススメですね!
この時期のさつまいもは、甘みがあってホクホクとやわらかく、まさに秋を代表する味覚の1つと言えます。さつまいもには様々な品種がありますが、私たちが普段食べているものは、ベニアズマと呼ばれるものですよ。
また、イモ類なので、炭水化物が多いように思えますが、それ以外にビタミンやミネラルも豊富に含んでいるんですよ!特に豊富に含まれているのはビタミンEで、老化防止の効果があると言われています。
まとめ
二十四節気の1つ「霜降」について書いてみました。
今ではあまり意識することはないかもしれませんが、今年は昔の人たちのように季節のちょっとした変化を楽しんでみてはいかがでしょうか。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。