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女性専用車両に男性は乗れる?法律面とモラル面を徹底考察してみた

投稿日:2017年12月10日 更新日:

女性専用車両ってありますよね?


↑こういうステッカーが付いてて、主に朝の通勤ラッシュの時間帯に女性専用になる車両です。

「女性専用車両」というくらいですので、乗るのはもちろん女性なんですけど、たまに男性が乗っているのを見かけます。ただ、一口に男性と言っても、間違って乗ってしまう人もいれば、中には女性専用車両と知っててわざと乗る人もいるようで ^^;

けっこう物議を醸すことの多い女性専用車両ですが、本日は「男性が女性専用車両に乗ること」について

  • 法律面
  • モラル面

の2つ側面から、私なりに考察してみました。

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法的には問題無し

まず、法律面からです。
先に結論を申し上げますと、男性が女性専用車両に乗ることは、法律的には問題ないです。

「法律的に問題ない」というのは、「法律では禁止されていない」ということです。つまり、現在のところ、男性が女性専用車両に乗ることを禁止する法律ってないんですよね...。

女性として、これは驚いたんじゃないでしょうか ^^; だって「○○専用」って書いてあったら、普通は「○○」しか乗れないと思いますもんね。
でも、乗れてしまうんですよ、男性も...。

一応、鉄道営業法はあるけど...

と言っても、全く法律がないわけではなく、一応それっぽいことが書いてある法律があるんです。
それが、「鉄道営業法」という法律で、そこには以下のような条文が書かれていました。

「制止を肯せすして左の所為を為したる者は十円以下の科料に処す」

「婦人の為に設けたる待合室及車室等に男子妄に立入りたるとき」

鉄道営業法34条

これは分かりやすく言うと、「婦人のための車室に、男性が理由もなく立ち入ったら、10円以下の罰金ね」という意味です。
鉄道営業法は、明治33年に作られたものなので、『10円以下の罰金』というところに時代を感じますね ^^;

とは言え、この条文を読むと、「婦人のための車室に、男性が入ったら罰金」ということが分かります。で、「婦人のための車室」って言い方が、ちょっと分かりにくですけど、これってまさに「女性専用車両」のことですよね。

と言うことは、「やっぱり男性が女性専用車両に乗ったらダメじゃん!」って思いますよね?

ところが、なんと「婦人のための車室」に女性専用車両は該当しないんです(←衝撃)

「婦人のための車室」≠「女性専用車両」

その理由ですが、国土交通省に鉄道営業法34条の適用について尋ねたところ、以下のような回答が返ってきたそうです。

「現行の女性専用車両に、鉄道営業法34条2号の適用は想定していません。女性専用車両は、鉄道事業者が輸送サービスの一環として実施しているもの。法的な強制力はありませんが、利用者のご理解とご協力のもとで成り立っています」
国土交通省 回答 http://president.jp/articles/-/5126

要点をまとめると、

  • 女性専用車両に鉄道営業法34条は適用されない
  • 女性専用車両はあくまでサービスの一環
  • 法的な強制力はない
  • 男性の理解と協力のもとに成り立っている

つまり女性専用車両は、女性だけが乗れる車両ではなく、「法律上はただの一般車輌」ということになってしまいますね...。

モラル面から見ると...

法律的には問題ないことは分かりましたが、それでは女性は納得できませんよね。
「法律違反しなければ何をしても良いのか?」ということになってしまいますし ^^;

確かに日本は法治国家なので、「法律違反しなけらば何をしても良い」というのは間違いではないのですが、必ずしもそうではないと思います。そして、行動するときに法律以外にも意識すること、それが「マナー」「モラル」「思いやり」といったものだと思うんですよね。

先ほど言った通り、現状、女性専用車両はあくまで「男性に協力してもらう形」で成り立っています。こうした、法律で規制されていないけど、協力をお願いしているものって生活の中に結構ありますよね。
例えば、

  • 節電にご協力ください
  • 図書館の中ではお静かに願います
  • 車内での通話はお控えください

など。

図書館の中って、別に普通の声で話しても法律では罰せられないけど、皆さんおそらく小声で話しますよね。また、電車の中で電話しても法律的には問題ないですけど、おそらく「ゴメン、今電車の中だから」と言って、後にすると思います。
これは、そうすることが「マナー」だからですよね。

また、「モラル」の話をすると、例えば、あたなが電車の中で優先席に座っていて、目の前に杖をついたお年寄りがきたら、きっと席を譲りますよね。
これだって、別に「優先席をお年寄りに譲らなかったら○○円以下の罰金」という法律があるわけじゃないです。でも、そこはモラルとして、皆さん譲ると思うんですよね。もちろん、尋常じゃなく疲れていたとか、何かしら理由があれば話は別ですよ ^^;

で、女性専用車両もこれと近い部分があるんじゃないかと思うんです。別に法律では決まってないけど、「思いやり」や「モラル」として協力してあげる、みたいな。

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男性側の不満にも納得

モラルの面から女性の意見を述べましたが、男性側の気持ちもとてもよく分かります。
おそらく、女性専用車両について男性が持っている不満は大きく

  • 何で男性だけが協力するの?
  • 女性専用車両って意味あるの?

だと思います。

先ほどの、「図書館で静かにする」「車内での通話は控える」って、全員が等しく協力することですよね。でも、女性専用車両は男性だけに協力が求められます。確かにこれは不平等というか、不満が出て当たり前だと思います。

また、「女性専用車両って意味あるの?」と思う男性も多いと思います。
例えば、図書館では、一人一人が静かにすることで、結果として静寂な空間が保たれます。また優先席では、席を譲ることで、結果としてお年寄りが座ることができます。

ただ、女性専用車両は、男性が協力したところで、それが何になっているのか分からないですよね。一応、痴漢対策ということで始まったサービスですが、実際に痴漢行為が減少しているかどうかは謎です。

むしろ中には、女性専用車両を導入したことで痴漢が増加したり、特定の車種だけ女性専用車両を導入したら、それ以外の導入していない車種で痴漢が増加したという報告もあって、本当に女性専用車両が機能しているかというと難しいところではあります。

現行の問題点

女性専用車両について、色々な観点から書いてみましたが、私が思う現行の問題点は

  • 男性だけに協力をさせていること
  • いまいち結果が見えにくいこと

ではないかと思います。

私は女性専用車両を始めて知ったときから、「そんなことするなら、完全に男女を分けちゃえば良いのに」とずっと思っていました。
「女性専用車両だけ作ったら、男性から不満出るに決まってんじゃん」って。
「手っ取り早く痴漢対策するなら、完全に男女別にした方が早いでしょ」って。

でも、最近はそう簡単なことではないと思っています。例えば、カップル、家族連れ、団体客はどっちに乗れば良いか迷ってしまいますし、性同一性障害の方はどうするのか、という問題も出てくると思います。

そこで、痴漢対策に有効で、かつ、男性からの不満も出ない方法としては、「各車両に監視カメラを設置する」というのが、良いんじゃないかと思います。

最後に

女性専用車両について、法律面とモラル面から書いてみました。

最後にもう一度まとめますと、

  • 法律的には女性専用車両には男性も乗れる
  • ただし、モラル的には協力すべき
  • とは言え、男性から不満が出るのは当然
  • で、監視カメラを設置するの良いんじゃない

ということでした。

現状、賛否両論が多い女性専用車両ですが、男性は女性に協力してあげる気持ちで、女性は男性に協力してもらっているという気持ちを大切にして、なんかこう、上手くやっていきたいものですね ^^;

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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