4月1日と言えば、皆さんご存知の「エイプリルフール」です。
この日だけは全ての嘘が許されるわけですが、ちょっとした注意事項があるようです。例えば、
- 他人を嫌な気持ちにさせたり、傷つけるような嘘はNG
- 騙された人は笑って許す
などなど。
で、私が驚いたのは、「嘘はをついても良いのは午前中」です。
皆さん、このルール知ってましたか??
私は先日初めて知ったので「あれ?そんな決まりあったっけ?笑」という感じです。少なくとも私の記憶では、エイプリルフールに時間の縛りはなかったと思うんですよね...。
というわけで、なぜこのようなルールが生まれたのかその由来を調べてみました!また、日本でどれくら浸透してるのかも考えてみました。
本日はその結果をシェアしたいと思います。
午前中ルールはイギリスから
調べてみたところ、嘘をつくのは午前中というルールは、イギリスの「オークアップルデー」という日から来ているようです。
イギリスでは毎年5月29日に『オークアップルデー』という記念祭が行われています。
これは、1622年にチャールズ二世によって王政復古が行われたことを祝う日なのですが、世界史が苦手なので詳しいことは省きます。すみません。
で、何をする日なのかと言うと、王国への忠誠の証として午前中だけオーク(樫)の実を服に付けるんだそうです。もし付け忘れると「お主には忠誠心が足りん(笑)」という感じでからかわれます。
そして、午後になると「さっきはからかってゴメンね(笑)」と言って、みんなで笑い合うんだそうです。
イギリスでは、古くからエイプリルフールがありますが、ある時からこのオークアップルデーの影響を受け、「嘘は午前中について、午後にはネタばらしをし、皆でその嘘を楽しむ」という習慣が生まれました。
ちなみに、イギリス以外にも歴史的にイギリスが統治していた一部の国では、この午前中ルールが採用されているんだとか。
つまり「日本は全く関係ない」ということなんですよね。では、なぜ歴史的にイギリスに統治されていたわけでもない日本に、午前中ルールがあるのでしょうか。
日本で午前中ルールができた由来
日本で午前中ルールが生まれた由来ついては、はっきりと分かっていないのですが、有力な説は「元々は誰かの嘘だった」です。つまり、エイプリルフールの嘘として「嘘は午前中につかないとダメなんだよ〜」って言ったのを、みんな信じちゃったというわけです。
言った本人としては、
「ねえねえ、エイプリルフールの嘘って午前中に言わなきゃダメらしいよ」
「いや、それが嘘でしょ!」
となるはずが、
「ねえねえ、エイプリルフールの嘘って午前中に言わなきゃダメらしいよ」
「えっ、そうなの!?」
「(あ...信じちゃったよ)」
となってしまったわけです。
イギリスと何かしら関係があるのかと思いましたが、どうやらただの偶然の一致だったようです。もしくは、最初に言った人がイギリスのルールを知っていたという可能性も考えられますね。
ただ、この「誰かの嘘から始まった」という説は、あくまで1つの説に過ぎません。と言っても個人的にはこの説はかなり有力なんじゃないかと思っています。
今はスマートフォンが普及し、たくさん人がSNSを利用する時代です。ツイッターなどで拡散されることが容易に想像できます。少なくとも私が子供の頃は、こんな縛りはありませんでしたからね。(多分)
とは言え、誰かの嘘が広まっただけなら、ルールとしては別に意識しなくても良い気がしますよね。実際のところ、私は先日まで知らなかったわけですし、一体どれだけの人がこのルールを知っているのでしょう。
日本ではどれくらい浸透してるの?
さすがに、日本人の何割がこのルールを知っているかは分かりませんでしたが、「あれ、ひょっとしてかなり浸透してるんじゃない?」と思わざるをえないものを見つけました。
これです。
エイプリルフール(英語: April Fools' Day)とは、毎年4月1日には嘘をついても良いという風習のことである。4月1日の正午までに限るとも言い伝えられている。
Wikipedia
エイプリルフール
4月1日の午前中は、軽いいたずらでうそをついたり、人をかついだりしてもとがめられないという風習。
三省堂 大辞林
なんと、『Wikipedia』と『三省堂 大辞林』に載ってました...。
驚きです。まさか国語辞典に載っているなんて。
初めは誰かの嘘から始まったかもしれないけど、Wikipediaや国語辞典にまで載っているあたり、これはもう公式ルールになりつつあると考えるしかないんですかね。まさに「嘘から出たまこと」です。
今のところは、午後に嘘をついても何とも無さそうですが、このルールが完全に定着する日は、そう遠くない気がしました。
とりあえず調べて分かったことをまとめてみると、
- 午前中ルールは確かに存在した
- おそらく由来はイギリスのオークアップルデー
- 日本に伝わった経緯は不明(多分、誰かの嘘から始まった)
- Wikipediaや国語辞典に載ってる
- 今後さらに浸透すると思われる
という感じです。
で、午前中ルールを調べてるときに、もう1つ気になるルールを見つけたんです。
それが、「嘘をついてはいけないエイプリルフールがある」です。
ちょっと混乱しますよね。エイプリルフールは嘘をつく日なのに、それが禁止されるとは何事って感じです。なので、最後にこの謎のルールについてちょっと解説してみたいと思います。
嘘をついてはいけないエイプリルフールがある!?
このルールには、エイプリルフールの起源が深く関係しています。と言っても、今のところはっきりとした起源は分かっておらず、あくまで有力とされている説です。
昔々、ヨーロッパでは3月25日が新年とされていて、4月1日までの約1週間、春のお祭りが開催されていました。
ところが、1564年にフランスのシャルル9世が、1月1日を新年とする暦を採用します。市民としては、慣れ親しんだ習慣を変えるのが嫌で、これに反発しました。
で、この反発というのが、暦が変更された後も4月1日を「嘘の新年」として馬鹿騒ぎするというものだったんです。
これが、エイプリルフールの起源だと言われています。
で、暦を変更したシャルル9世ですが、反発した市民に対して大変お怒りになり、4月1日に馬鹿騒ぎしてた連中を片っ端から処刑してしまいました。
この処刑された市民の中には、13歳の幼い少女もいたそうです。フランスの人々はこの事実にとてもショックを受け、フランス王に抗議します。
そして、この悲しい事件を忘れないために、それからも毎年4月1日は「嘘の新年」を祝うことにしました。
ただし、13歳で処刑された少女に哀悼の意を表して、1564年から13年ごとのエイプリルフールは、「嘘の嘘の新年」として全く嘘をついてはいけない日にしたんだそうです。
エイプリルフール自体は世界中に広まりましたが、この「嘘の嘘の新年」は次第に忘れ去られていってしまったというわけです。
なんとも悲しい過去があったんですね。。ちなみに直近の「嘘をついてはいけないエイプリルフール」は2019年になります。
最後に
エイプリルフールの午前中ルールの由来について書いてみました。
私としては、トランプの大富豪のご当地ルールくらいのものだと思っていたのですが、まさかの辞書にも載っていて、驚きを隠せません。
ただ、絶対に午前中じゃなきゃダメ!というほどではないと感じています。少なくなくとも今は。
とは言え、SNSがこれだけ普及してる時代ですから、遅かれ早かれ全国的に広く認知されるかと思います。それどころか誰かのちょっとした嘘が発端になって、次々に新ルールが追加されていくこともありそうですよね。
- 嘘は20文字以内にする
- 必ず外来語を入れる
とか。
とりあえず、今年のエイプリルフールは午前中を意識してみようと思います。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。