梅雨が明けて暑くなると、どこからともなくセミの鳴き声が聞こえてきますよね。私は毎年、セミの声を聞いては「今年も夏が来たな〜」と爽やかな気持ちになり、夏の風情を感じています。
ただ、そんな爽やかな気持ちも最初だけ。8月中旬の夏真っ盛りな時に、外でミンミンやってると「お願い...今だけは静かにして...」と、夏の風情は一体どこへやら。
で、ふと思ったんですよね。そもそもセミって何で鳴くの?って。もちろんセミに限らず、多くの生き物が鳴きますけど、さすがにセミは鳴き過ぎじゃないかと...
。
というわけで、本日は私が調べたセミが鳴く理由をご紹介したいと思います。
また、合わせて
- セミの鳴く仕組み
- セミの鳴く時期・時間
なども解説しますので、ぜひ最後までお付き合い下さいね。
アブラゼミ
セミが鳴く理由は?
では、さっそくセミが鳴く理由ですが、これは
- メスに自分の居場所を知らせるため
だそうです。
な、なんと、セミが鳴き叫んでいるのは求愛行動だったんですねぇ。
動物によってパートナーの見つけ方は様々ですが、セミの場合はオスが鳴いて、その鳴き声を聞いたメスがオスの元に飛んでいくんだそうです。
皆さんご存知の通り、セミは寿命の短い生き物です。なので、次の生命を残すために毎日必死に鳴いて、パートナーを探しているというわけなんですね。
子孫を残すために毎日必死なの。
だから、騒がしいとか思わないでね(涙)
おっと、これは失礼しました。何度も「騒がしい・喧しい・うるさい」と思ってしまいましたよ...。そうですよね、セミも頑張って生きているんですよね。
ただ、なんとなく私のイメージですと、どんな動物でも繁殖の際にはオスがメスを探し求めるものだと思っていましたが、セミの場合はオスは基本的に待ちの姿勢なんですね。
アブラゼミ
鳴くのだって大変なんだからね。
おっと、これは重ねて失礼しました。
では、実際にセミはどのように鳴いているのか、その仕組みを見ていきましょう。
セミの鳴く仕組み
まず、多くの鳴く虫(スズムシ、コオロギなど)は、羽をこすった際の摩擦で音を出しています。で、セミも羽とお腹をこすって音を出しているのですが、実はセミにはもう一つ音を出す方法があるんですよね。
それが、お腹の中にある発音器官です。
こちらにセミの発音器官の断面図の画像をご用意しました。(セミの顔じゃないですからね)
ギターの弦のように見えるのが「発音筋」という筋肉で、まずこれを思いっきり振動させます。で、驚くべきはその振動数で、なんと1秒間に約2万回なんだとか...。
電動歯ブラシでもせいぜい1秒間に約500回なので、いかにセミがすごいか分かりますねぇ。
アブラゼミ
電動歯ブラシと比較されるとちょっと(汗)
で、この驚異的な振動が「発音膜」と呼ばれる膜に伝わり音が生まれます。ただし、この段階ではそこまで大きな音ににはなりません。
最後に、空洞になっている「共鳴室」という部分で、音を共鳴させることで何倍にも大きくするわけです。
実際にセミの鳴いてる動画がありました。こちらのセミは「ツクツクボウシ」になります
どうでしょうか。お腹が小刻みに動いているのがわかるかと思います。こうすることで毎秒20,000回という振動数を作り出しているんですねぇ。
- 発音筋
- 発音膜
- 共鳴室
などが発達していません。代わりにお腹の中には、卵を産むための卵巣があります。
なので、一般的にはメスは鳴かないと言われますが、正しくは鳴けないです。
アブラゼミ
オスのセミは、
- 羽をお腹にこする
- 発音筋を振動させる
の2つの方法で音を出しているわけです。それは確かに大変そうねすねぇ。
と言っても四六時中鳴いていることはないはず。では、セミが鳴く時間帯はいつ頃なのか、お次はそれを見ていきましょう。
セミの鳴く時間は?
さて、セミの鳴く時間帯ですが、これはセミによってバラバラです。
というわけで、日本でよく見られる
- アブラゼミ
- ミンミンゼミ
- クマゼミ
- ヒグラシ
- ツクツクボウシ
の5種類のセミの鳴く時間帯をまとめてみました。
種類 | 鳴く時間帯 |
---|---|
アブラゼミ | ほぼ終日(特に午後) |
ミンミンゼミ | 早朝から午前中 |
クマゼミ | 午後 |
ヒグラシ | 早朝・夕方 |
ツクツクボウシ | 主に午後 |
こうして見ると、お昼くらいに多くのセミが鳴いてるのがわかります。たしかに、その時間帯って思わず耳を塞ぎたくなる程うるさかったりしますからねぇ(汗)
- ちなみに・・・
もしかしたら、「毎年セミの鳴き声にはうんざり...」という方もいらっしゃるかと思います。
そんな方のために、セミがうるさい時の対策をまとめてみました。
セミの鳴く時間帯が分かったところで、それぞれの鳴き声も確認しておきましょう。だいたいこんな感じです。
種類 | 鳴き声 |
---|---|
アブラゼミ | ジジジジジジ... |
ミンミンゼミ | ミーンミンミンミンミー… |
クマゼミ | シャシャシャシャ... |
ヒグラシ | カナカナカナ... |
ツクツクボウシ | ツクツクツク......ボーシ!! ※ふざけているわけではありません |
うーん、鳴き声を文字で表しても、いまいち分かりませんよねぇ。ということで動画をご用意しました。
こちらの動画で、5匹の鳴き声を比較できます。1分20秒あたりから、5匹が順番に鳴き始めますよ。
私はひぐらしの鳴き声が一番好きなのですが、早朝と夕方しか鳴かないから滅多に聞けないんですよね...。残念。
アブラゼミ
でも、僕の鳴き声だって元気があって素敵でしょ
そうですね。むしろアブラゼミは元気ありすぎですかね...。
さて、セミの鳴く時間帯を解説しましたので、お次は鳴く時期を見ていきましょう。一体セミはいつ頃から鳴き始めるのでしょうか。
セミの鳴く時期
セミの鳴く時期ですが、これも種類によってバラバラです。
例えば、日本で最も早く鳴き始めるのは、沖縄地方にだけ生息する「イワサキクサゼミ」で、だいたい3月〜7月頃に鳴きます。
関東に住んでいる私からすると、3月にセミが鳴くなんて信じられませんが、さすが沖縄の温暖な気候といったところですかね。
ちなみに、イワサキクサゼミは日本最小のセミでもあり、大きさはわずか1.5cm程度。また体は黒色なので、初めて見た人はちょっと大きいハエと勘違いしてしまうかもしれませんね。
その次に早く鳴き始めるのは「ハルゼミ」で、だいたい4月から6月頃。
このセミは、本州・四国・九州と広く分布しているのですが、松林にしか生息しないらしく、近年の松林の現象のため多くの自治体で絶滅危惧種に指定されているそう...。
by Almandine
そして7月になると、先ほど紹介した5匹のセミたちも続々と鳴き始めますよ。表にまとめるとこんな感じです。
種類 | 鳴く時期 |
---|---|
アブラゼミ | 7月上旬〜9月上旬 |
ミンミンゼミ | 7月下旬〜9月上旬 |
クマゼミ | 7月上旬〜9月上旬 |
ヒグラシ | 6月下旬〜9月中旬 |
ツクツクボウシ | 8月上旬〜9月中旬 |
なんと、ヒグラシが最も長い間鳴いています。とは言え、鳴く時間帯が他のセミよりも短いことを考えると、それだけ長期間鳴く必要があるのかもしれませんね。
時雨というのは、秋の末から冬の初めごろに、降ったりやんだりする小雨のことです。
つまり、セミの鳴き声を降ってはやむ雨に例えたわけですね。なんとも、ため息が出るほど美しい言葉じゃないですか。
ただですね、8月の本当に騒がしい時って時雨なんてレベルじゃなく、はっきり言ってゲリラ豪雨です...。
最後に
いかがでしたでしょうか。
- セミの鳴く理由
- 鳴く仕組み
- 鳴く時間帯・時期
について解説してきました。
正直、夏真っ盛りの時のセミの鳴き声には、つい耳を塞ぎたくなることもありますが、それが子孫を残すためだったと思うと少し考え方も変わりそうですねぇ。
アブラゼミ
今年の夏は、いろんなセミの鳴き声を聞いて
楽しんでくれたら嬉しいな。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。少しでもお役に立ちましたら幸いです。