夏になると、セミの声があちこちから聞こえてきますよね。私はセミ自体は好きなのですが、あの喧しい鳴き声だけは何とかしてほしいと思うことが多々有ります。
特に8月中旬の夏真っ盛りの時に、外で鳴きわめいていると「勘弁してください...」と毎年のように心の中で懇願するのです。
なので、セミの鳴き止む夜の時間帯は本当に落ち着くんですよねぇ。清少納言もおっしゃっていましたが、まさに「夏は夜」だと思います。
ただ、ここ何年はなぜか夜でもセミが鳴いている気がするんですよね...。
できれば夢や幻聴であることを願うのですが、大切な安眠が妨げられては一大事。ということで、セミが夜も鳴くのどうか徹底的に調べてみました。
本日は、私が調べた結果をシェアしたいと思います。ぜひ最後までお付き合いくださいね。
セミは夜も鳴くの?
まず初めに結論を申しますと、
- セミは基本的に夜は鳴きません
おー、なんと言いますか今とても安堵しています。やっぱり夜に聞こえたアレは幻聴で、昼間に聞きまくってるから勝手に脳内再生されていただけなんですね。ふぅ。
いや、喧しくはないですけど(非常に喧しいです)、夜はぐっすり寝たいですからねぇ。
では、どうしてセミは夜に鳴かないのでしょうか。
セミが夜に鳴かない理由
セミが夜に鳴かないのは、
- 暗くて気温が低いから
です。
どういうことかと言いますと、セミが鳴く条件には
- 明るさ
- 気温
の2つが大きく関係しているんですよね。
種類によっては、気温はあまり関係なく明るさのみが条件のものもいますが、ほぼ全てのセミはこの2つのどちらか、もしくは両方が鳴く条件となっております。
明るさ
例えば、私たちの身近なセミでいうと、「ヒグラシ」なんかは明るさが条件になっています。ヒグラシと聞いてピンとこない方は。こちらの動画で鳴き声を聞いてみて下さい。
どうでしょう。きっと「あー、この鳴き声ね」と思い出せたのではないでしょうか。ちなみに私たヒグラシの鳴き声が一番好きです。世の中のセミが全てヒグラシだったら良いのに...(切実に)
で、このヒグラシなんですが、基本的に早朝と夕方しか鳴きません。
これは、昼間のように明るくなく夜のように暗くもない「薄暗さ」が、ヒグラシの鳴く条件になっているからなんです。
つまり、明るさとは言い換えると「時間帯」ですね。
で、他にも身近なセミの鳴く時間帯を調べてみたところ、だいたいこんな感じでした。
種類 | 鳴く時間帯 |
---|---|
アブラゼミ | ほぼ終日(特に午後) |
ミンミンゼミ | 早朝から午前中 |
クマゼミ | 午後 |
ヒグラシ | 早朝・夕方 |
ツクツクボウシ | 主に午後 |
時間帯に差はありますが、どのセミも夜には鳴かないのが分かると思います。というか、アブラゼミって他のセミよりはるかに鳴くんですねぇ...。(どうりで昼間うるさいわけだ)
気温
続いて2つ目の条件の「気温」です。これも明るさと同じように、鳴くのに適した気温があるんですよね。
もちろん種類によって異なるのですが、だいたい25度〜32度くらいがちょうど良いと言われています。
ただ、先ほど説明した通り、中には気温はあまり関係のないセミもいて、例えば
- ミンミンゼミ
- ツクツクボウシ
などは、あまり気温を気にせずガンガン鳴くんだそうです。(お願い、ちょっとは気にして...。)
一方で、
- アブラゼミ
- クマゼミ
などは割と気温の影響を受けるらしく、25度以下では鳴かず、また気温が高すぎても鳴かないようです。
つまり、セミによって何を第一の条件とするかは異なるというわけです。
ただ、明るさと気温どちらを第一条件にしても、夜は暗くて気温が低いので鳴かないんですね。
ですが、これって逆に言えば、例え夜でも条件を満たしていたら鳴くってことになりませんか...?(汗)
条件を満たせば夜でも無く!?
えーとですね...。
どうやら条件さえ満たせば、夜でも普通に鳴くそうです。
や、やっぱりですかー(汗)
まあ、条件があるのなら、それさえ満たせば夜でも鳴くというのは、考えてみたら当然のことかもしれませんねぇ...。
ただ、調べてみたところ、ずっと昔はセミが夜に鳴くことはなかったそうですよ。では、いつ頃からかと言いますと、ここ10年くらいなんだとか。
で、その原因というのが
- 街灯やネオンの増加
- ヒートアイランド現象による熱帯夜の増加
の2つだそうです。
どうやら10年前は、今よりも夜はずっと暗かったらしいですよね。(私はよく覚えてませんが)
それが街灯のネオンの増加によって、都市部の夜はまるで昼間のような明るさになってしまっているそうです。
いわゆる光害というやつですね。このせいで、セミたちは昼間と勘違いしてしまうんです。
お昼だと思っちゃうよー
そして、もう一つがヒートアイランド現象による熱帯夜です。
原因は様々ですが主に
- 地球温暖化
- 排気ガス
などが挙げられます。
これにより、夜でも気温が25度以上ある熱帯夜が、以前よりもはるかに増えているそうです。たしかに、夜になっても暑苦しいと思うことが多くなった気がしますねぇ...。
こうして「明るさ」と「気温」の条件を満たし、セミたちは夜も鳴くわけです。
なんと言いますが、セミが夜も鳴くのを迷惑だなと思っていまいしたが、そうなった原因は私たちにあるんですね...。スミマセン。。
それに、日本では昼に鳴くのが普通だけど、海外では夜に鳴くのが一般的な国もあるんだよ!
ええっ、それは初耳ですよ(汗)
海外では夜に鳴くのが普通?
皆さんは「タイ」という国をご存知ですか?日本よりもずっと南にある赤道付近の国です。
どうやらこの国では、一般的にセミは夜に鳴くんだそう。
旅行者が「この国ではセミは夜に鳴くんですね!日本では昼に鳴くのが普通ですよ」と言ったところ、現地の人は「昼に鳴くだって!?それはセミじゃないな」と答えたそうです...(汗)
ただ、タイでは夜にセミが鳴くのも納得なんですよね。というのも、タイでは4月が夏なのですが、気温はこんな感じです...。
最高気温 | 36度〜38度 |
最低気温 | 25度〜27度 |
平均気温 | 30度 |
暑いですねー(汗)
そういえば、以前タイに2週間ほど旅行したときも、暑さにやられてほとんど観光せず、ただお腹を壊して帰ってきたのを思い出しました。
まあ、それは良いとして、セミが鳴くには気温だけでなく「明るさ」も重要という話でしたよね。では、タイの夜は昼間並みに明るいのでしょうか?
これについては、調べてもいまいち情報が見つかりませんでした...。ですが、私の記憶では首都バンコクの繁華街はネオンがギラギラしていて結構明るかったように思います。
ただ、調べていると1つ気になる情報があったんですよね。それは、セミはもともと夜に鳴いていたというものです。
セミはもともと夜行性だった?
突然ですが、セミが何の仲間かご存知でしょうか?
「そんなのセミはセミでしょ」と思いますよね。ただですね...なんです。
で、皆さんご存知かわかりませんが、カメムシって夜行性なんですよね。なので、その仲間のセミも実は夜行性で、夜に鳴いていたんじゃないかと言われているんです。
それが、熱帯地方から少しずつ寒い地方に渡ったことで、今の日本のように昼に鳴くようになったのではないか、と。
ただ、これはあくまで仮説なので、本当のところは分かりません。ですがもし本当なら、もともと夜型だったのが環境の変化で昼型になり、さらに今人間のせいで強引に夜型に戻されるという...。なんとも気の毒です。。
まとめ
いかがでしたでしょうか。セミは夜に鳴くのかについて解説してきました。
最後にもう一度要点をまとめますと、
それは、セミが鳴くかどうかは「明るさ」と「気温」が関係していて、夜は暗くて気温が低いから。
ただし、ここ10年ほどは、
- 街灯やネオンの増加
- ヒートアイランド現象による熱帯夜の増加
の影響で夜でも鳴くことがある。
ということでしたね。
だから、少しくらい許してね。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございまいした。少しでもお役に立ちましたら幸いです。