皆さん、蝶の数え方って知ってましたか?
普通に考えたら「1匹、2匹・・・」と数えますよね。もしくは羽があるので、「1羽、2羽・・・」という数え方もアリかもしれません。
ただ、厳密に言うと...
「1頭、2頭・・・」と数えるのが正解らしいです!!
この事実を知った時は本当に驚きましたねぇ。
先日、クイズ番組を見ていたら「蝶の数え方は何でしょう〜?」という問題が出てたんですよ。
何この簡単な問題、そんなの「匹」に決まってるじゃん。いやもしかしたら引っ掛け問題で答えは「羽」。何て思っていたらまさかの「頭」。
「頭」って普通に考えたらゾウとかウシとか、大型の動物を数えるときに使いますよね。それがどうして、あんなに小さくて可憐な蝶に使うのか。
番組内では解説しなかったので、すぐに理由を調べてみましたよ。
というわけで、本日は私が調べた結果をシェアしたいと思います!ぜひ最後までお付き合いくださいね。
蝶を「頭」で数える理由
まず初めに結論を申しますと、蝶を「頭」で数える理由は、
- 日本人が英語の「head」を直訳したから
です。
たしかに英語の「head(ヘッド)」は「頭」って意味だけど、どうしてそれが蝶を数える単位になるの?と思いますよね。
ここをもう少し掘り下げて見ていきましょう〜
英語では動物を「head」で数える
古くから英語では、牛や羊などの家畜を「head(ヘッド)」で数えるんだそうです。
あれ?「head」にそんな意味あったかなと思い、辞書を引いてみると...
head
(動物)の頭数、数:forty head of cattle 牛40頭
新英和中辞典
確かに書いてありました!
で、この「head」なのですが、元は家畜に対してのみ使われていたのですが、次第に動物園で飼育されている動物を数えるのにも使われ始めたんです。
ただ、これだと別に蝶は関係ないじゃんと思いますよね。
ところが、そうでもないんです!
動物園に蝶?
実は、西洋の動物園では珍しい蝶が飼育・展示されていることが多いんだそうです!
私は、海外の動物園にはほとんど行ったことがないのですが、たしかに日本の動物園で蝶を飼育しているところって、あまりない気がしますね。
で、この西洋の動物園なのですが、園内の動物の総数を数えるときに、蝶もまとめて「head」で数えていたんだそうです。
この影響で、昆虫学者たちが論文を書くときに、蝶単体でも「head」で数えるようにりました。
そして、それを20世紀初頭に日本語に直訳してしまい、蝶を「頭」と数えるようになったわけです^^;
さて、蝶を「頭」と数えるようになった理由をご説明してきました!
一応、日本人が英語の「head」を直訳したからというのが定説になっているのですが、実は他にもいくつか説がありますので、サラッとご紹介したいと思います^ ^
その他の説
まず1つ目の説は、
- 標本では蝶の頭部が重要だったから
です。
皆さん、蝶の標本って見たことありますでしょうか?
こんな風に透明なケースに蝶を飾っておくものです。
by Édouard Hue
このように蝶を標本にする上では、頭部が切断されていないことが重要らしく、そのことから、蝶を「頭」で数えるようになったという説です。
続いて2つ目の説は、
- 昆虫採集は狩猟の一種として考えられていたから
です。
狩猟と聞くと、食料を手に入れるために動物を狩るイメージですよね。一方で、昆虫採集というと完全に趣味のイメージを持っているかと思います。
ですが、かつては狩猟も昆虫採集も同じものだと考えられていたんですよね。なので、獲物となるものは動物でも蝶でも「頭」と数えたという説です。
ただ、この2つの説はあくまで俗説なので、ちょっと信憑性は薄いんですけどね^^;
さて、ここまで蝶を「頭」と数える理由を、定説・俗説の2つに分けて解説してきました!
ここで、疑問に思うのは、一般的に使っている「匹」という数え方は間違いなの?ということではないでしょうか。
蝶を「匹」で数えるのは間違い?
まず答えを言いますと、蝶を「匹」で数えるのは間違いではありません!
というのも、蝶を「頭」で数えるのは、あくまで学術的な場合だからです。
実際のところ、辞書を引いてみると
ちょう【蝶】
四枚の大きな羽で ひらひらと昼間 飛ぶ昆虫
[数え方] 一匹 一羽 一頭
新明解 国語辞典
このように
- 匹
- 羽
- 頭
3つとも書いてあります。
なので、一般的には「1匹、2匹・・・」と数えて全く問題なさそうです!
むしろ、普段の会話の中で、「見て!アゲハチョウが1頭いるよ!」なんて言うと、周りは少しポカンとしてしまうかもしれませんね^^;
最後に
いかがでしたでしょうか。蝶の数え方が「頭」の理由を解説してきました!
最後にもう一度要点をまとめますと、
英語では、古くから牛や羊などの家畜を「head(ヘッド)」で数えていた。(例 forty head of cattle 牛40頭)
それが、いつしか動物園で飼っている動物を数えるときにも使われるようなる。
西洋の動物園では珍しい蝶を飼育していることが多かったので、蝶もまとめて「head」と数えられる。
そして、日本の昆虫学者がこれを「頭」と直訳したため、蝶の数え方が「頭」になってしまった。
他にも俗説として、
- 標本では、蝶の頭部が切れていないことが重要だった
- 昆虫採集は狩猟の一種とされていた
などがある。
なお、「頭」という数え方はあくまで学術的な数え方なので、普段の生活では「匹」もしくは「羽」と数えてOK。
ということでしたね!
蝶の数え方が「頭」というのは驚きでしたが、日常的には「匹」でも問題ないと分かって一安心です。さすがに「頭」は違和感がありますからね^^;
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!少しでもお役に立ちましたら幸いです^ ^