枕草子の一節に『夏は夜(夏は夜がいい)』とありますが、個人的には
「夏の夜って蚊がうっとしいだけじゃない...?」と思ってしまうんですよねぇ。(汗)
ただでさえ暑くて寝苦しいのに、ようやく眠りについたとしても「プ〜ン」という不快極まりない音で起こされて...。あたりを探しても奴の姿は見つからずまた布団に入っても、少ししたらまた起こされて...。
これが、私の夏の夜です。
ただ、ずっと疑問に思っていたんですよね。どうしてお決まりのように耳元に寄ってくるのか、と。わざわざ人間に気付かれる可能性の高い耳元を飛ぶなんて自殺行為なのでは、と。
ということで、蚊が耳元に寄ってくる理由を調べてみました!本日は私が調べた結果をシェアしたいと思います。また、合わせて耳元に寄ってきた場合の対策もご紹介しますので、どうぞ最後までお付き合い下さいませ。
蚊が耳元にやってくる理由はコレ!
おそらく世の中のありとあらゆる音の中で、トップクラスに不快であろう蚊の羽音。せめて、足元を飛んでくれれば少しはマシなのですが...。
では、どうして蚊は狙いすましたかのように耳元を飛ぶのかと言いますと、
- 蚊の好きなものが顔周辺にあるから
- 顔の露出度が高いから
の2つです。
それでは、順番に見ていきましょう。
顔周辺に蚊の大好物が...
実は、蚊は血を吸うときに
- 二酸化炭素
- 体温
- 汗の匂い
などを頼りにターゲットを探しています。
おそらくピンと来た方も多いかと思いますが、私たちの体の中で絶えず二酸化炭素が出ている部分がありますよねぇ...。そう、口です。
私たちは昼でも夜でも呼吸することで、常に口から二酸化炭素を吐き出していますよね。
なので、蚊は耳元を狙って飛んでいるのではなく、大好きな二酸化炭素を出している口に引き寄せられた結果、耳の近くも通るということなんです。
- ちなみに・・・・
蚊は狙いを定めるときに、二酸化炭素・温度・匂いなどを頼りにしますが、それ以外に『色』も1つの目印になるんです。
詳しくはこちらの記事で解説していますので、興味のある方はご覧になってください。
そもそも他の部分が狙えない
もう1つ、耳元に寄ってくる理由は他の部分の露出が少ないからです。
まず、皆さん寝るときって何かしら服を着て寝ますよね。もしかしたら裸で寝るという方もいるかも知りれませんが、それでもタオルケットか何か羽織って寝るのではないでしょうか。
で、そうすると必然的に露出部分が多いのは顔付近になってしまうんですよね...。
なので、蚊としては
となるわけです。
つまり、顔付近は格好の的になっていたんですねぇ。ただ、もし裸で寝てなおかつ何も羽織らなければ、顔以外にも分散する可能性はありますね(汗)
さて、蚊が耳元に寄ってくる2つの理由として、
- 蚊の好きなものが顔周辺にあるから
- 顔の露出度が高いから
の2つを解説してきました。
ここで、1つ疑問に思ったのは「どうして蚊の音は不快に感じるのだろう?」です。
もしあの音がヒーリング音楽並みの癒し効果があれば、耳元を飛び回ってくれても全然OKなんでけどねぇ。(刺されるのは嫌ですけど...)
ということでお次は、蚊の音を不快に感じる秘密を解説したいと思います。
蚊の音の仕組みは一体...
まず、蚊の「プ〜ン」という音がどのような仕組みでなっているかご存知でしたでしょうか。
例えば、
- スズムシ
- コオロギ
などの秋の虫は、羽をこする合わせることで音を出しています。
また、不快というわけではないですが、喧しい虫の代表格『セミ』は体の中に特殊な発声器官があり、そこから音を出しています。
では、蚊はどのように音を出すかと言いますと、実はあれ...
- 羽ばたいてる音
なんです。
え?羽ばたくだけであんな不快な音が出るの?って思いますよね。
それが、出るんですよ。羽ばたく回数が多いと...。
蚊の驚異的な羽ばたき回数
皆さんは、蚊が1秒間に何回くらい羽ばたいているか想像がつきますでしょうか?きっと蚊に対してそこまで考えたことないかもしれませんね(汗)
正解は...
500〜800回 / 秒
です。
これは虫の中では驚異的な数字なんですよねぇ。例えばその他の虫と比べてみると...
種類 | 1秒間に羽ばたく回数 |
---|---|
チョウ | 10回 |
バッタ | 20回 |
セミ | 30回 |
トンボ | 30回〜40回 |
蜂 | 150回〜200回 |
ハエ | 200回 |
蚊 | 500回〜800回 |
蚊の異常っぷりがよくわかりますよね。
ちなみに鳥の中で最も羽ばたく回数が多いのは『ハチドリ』の毎秒約80回ですので、他の動物と比較してもやはり蚊の羽ばたき回数は桁違いです。
で、この羽ばたき回数こそが、あの不快な音を出す秘密なんですよね。
蚊の音を不快に感じる秘密とは
それぞれの虫が1秒間に羽ばたく回数を表で載せましたが、あの数字はそのまま「周波数(単位:ヘルツ)」として表せます。
つまり、蚊は羽ばたくことで 500ヘルツ〜800ヘルツ の音を出していることになりますね。
そして、一般的に人間の聴くことのできる音の幅は、だいたい 20ヘルツ〜20,000ヘルツの範囲だと言われています。
で、どうやらその中で 500ヘルツ〜800ヘルツの高音が最も耳に刺さるらしいんですよねぇ。
例えば、皆さんおなじみのNHKの時報、
この「ピッ、ピッ、ピッ、ポーン」という音は、「440ヘルツ、440ヘルツ、440ヘルツ、880ヘルツ」という組み合わせになっているそうです。
たしかに耳の中の神経に直接触れる言いますか、耳の中が痒くなると言いますか、不快に感じる音ではありますねぇ(汗)
また、こうした周波数の高い音には『遠くで鳴っていても近くで鳴っているように聞こえる』という特徴があるそうです。
なので、耳元で「プ〜ン」と聞こえても実際には15cm〜20cmほど離れていると言われていますよ。
実は蚊の羽音には高い周波数の他に、『ピンクノイズ』という性質もあるんです。
これは、振幅が周期的に変動する音のことで、どうやら人間はこのピンクノイズに敏感に反応してしまうらしいんですよね。で、さらに不快に感じてしまうという...(汗)
つまり、蚊の羽音は
- 500ヘルツ〜800ヘルツの周波数
- ピンクノイズ
という2つの不快にさせる性質を持ち合わせた、まさに人を不快にさせるためにある音なんです(汗)
さて、蚊の音が不快な秘密を解説してきましたので、お次は実際に耳元で音が聞こえた時の対策を見ていきましょう。
実際に蚊がいた時の対策
皆さんは、もし眠っている時に耳元で「プ〜ン」と聞こえたらどうしますか?
私の場合は、おそらく取り乱して闇雲に手をパチパチ叩いたり、腕をブンブン振ったりするのですが、これはあまり良くないようです...。
と言いますのも、先ほどチラッと説明した通り、耳元で音が聞こえても実際には20cmほど離れているようなんです。
なので、手もパチンとしても多分当たりません。蚊がびっくりしてどこかに逃げてしまうだけです...。
ということで、正しい対処法で蚊をやっつけましょう。
とりあえず「蚊がいなくなるスプレー」が最強
まず何と言っても「蚊がいなくなるスプレー」ですねぇ。個人的には、これさえあれば室内での蚊対策は十分なんじゃないかと思っています。
もし、耳元で羽音がしたらこのスプレーをワンプッシュすればOK。15分もすれば蚊は息絶えてしまうでしょう。
似たような商品として、
- 蚊取り線香
- ベープ
などもありますが、個人的には蚊がいなくなるスプレーが、最も効果が高いような気がします。
ネットでも大変評価が高いので、使ったことのない方は是非。
私はこの商品と出会ってから、大げさではなく世界が変わりました。
扇風機もオススメ
基本的には先ほどのスプレーで解決してしまうのですが、
- スプレーを持っていない
- もしくは、ものすごく広い部屋にいる
という場合には、扇風機を顔の方に向けておくのも効果的ですよ。
というのも、蚊ってかなり飛行能力が低いらしいですよねぇ(汗)
1秒間に500以上も羽をばたつかせているのに、せいぜい時速2kmくらいでしか飛べないんですよねぇ。なので、扇風機の風を当てれば間違いなく吹っ飛んでいきます。
私たちにとっては心地よい風でも、蚊にとっては災害レベルの暴風というわけですねぇ。ただし、さすがに一晩中顔に風を当てず続けるのもあれなので、そこは首振り機能を使いましょう。
最終的には己で退治
スプレーも扇風機も無い場合には、自分の手で叩き潰すしか無いわけですが、いくつかポイントがあります。
まず、先ほども言った通り、その場で腕を振り回したりするのは止めましょう。蚊が逃げてしまいますからね。
取り乱してしまう気持ちは分かりますが、一度冷静になってまず部屋の電気を付けます。
そして、辺りをじっくり見回してみまわすと、十中八九その辺を飛んでいますので、そこを叩き潰しましょう。
そんな方にオススメの方法が、蚊を上下に挟む方法です。
と言いますので、蚊ってただでさえ飛行能力が低い上に、横の移動がさらに苦手なんですよねぇ。
なので、蚊を潰すときは左右ではなく、上下で挟みましょう。
こうではなく...
こうです。
最後に
いかがでしたでしょうか。蚊が耳元に寄ってくる理由について解説してきました。
最後にもう一度要点をまとめますと、
- 口から出る二酸化炭素に引き寄せられるため
- 顔が最も露出度が高いため
の2つ。
ただし、蚊の音が耳元で聞こえても、実際には20cmほど離れていることが多い。
これは、蚊の羽音の周波数が500ヘルツ〜800ヘルツと高く、遠くで鳴っても近くで鳴っているように聞こえるため。
ということでしたね。
蚊の羽音は不快極まりないですが、今年は『蚊がいなくなるスプレー』を買い込んで、『夏は夜』と言えるくらいの夏の夜を過ごしたいものですねぇ。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。少しでもお役に立ちましたら幸いです。