夏になると、喧しいくらいにセミが鳴いていますよね。
私は、セミの鳴き声自体は夏を感じられるので好きなのですが、あまりうるさいと「あのー、もう少し静かにしれくれません...?」と思ってしまうんですよねぇ。
そんなセミですが、1つ疑問に思ったことがあるんですよ。それが、どこに卵産んでるんだろう?です。
というのも、セミの幼虫って地面から出てきますよね。だから、卵は土の中に産むと思っていたんですよ。
ただ、これまで私が見たセミって
- 木に留まって鳴いてる
- 空を飛んでる
- 地面にひっくり返って死んでる
の3パターンで、地面にいるセミって見たことないんですよねぇ。と言ういことは、セミってどこか別の場所に卵を産んでるのではと。
ということで、セミがどこに卵を産むのか調べてみました。本日は、私が調べた結果をシェアしたいと思います。
また、合わせて
- 卵の産み方
- 卵の数
- 孵化したあと
など、産卵に関してあれこれ解説したいと思いますので、ぜひ最後までお付き合い下さいね。
セミはどこに卵を産む?
えーと、まず初めに結論を申しますと、セミが卵を産むのは
- 木
だそうです。
や、やっぱり地面じゃなかったんですねー(汗)
幼虫は土の中で暮らしているけど、卵は木の中に産むんだよね〜
ということは、私たちがよく見かける木に留まっているセミは、もしかしたら産卵していたかもしれないんですね...。では、具体的にどのように卵を産んでいるのか見てきましょう。
卵の産み方は?
交尾を終えたメスは産卵するわけですが、まず卵を産み付けるための木を見つけます。
そうしたら、お腹に付いてる産卵管という細長い管で、木の表面を削って穴を開けるんだそう。
なるほど。
そして、削った穴に卵を産み付けるというわけなんですねぇ。
こちらに、ミンミンゼミの産卵の動画がありますので、ぜひご覧になってみてください。
※お腹の下から伸びているのが産卵管です。
その理由は、
- 生きている木だと、穴がふさがるから。
どうやら、人間の傷が治るのと同じように、生きている木だと時間の経過とともに穴がふさがってしまうらしんですよねぇ。で、卵から孵った幼虫が出られなくなってしまうと...。(生き埋め状態)
卵を産む仕組みを知ったら、やはりどんな見た目なのかも気になりますよね。
で、ネットで調べてみたのですが中々見つからず...。そんな時、偶然Twitterでとても分りやすい画像を見つけましたので、こちらで紹介させていただきます。
ブルーベリーの枝折りしてたらセミの卵見つけた pic.twitter.com/0CxScRuuGC
— ルア (@lua_cinal) 2018年2月17日
どうやら、大きさは2mmほどで、細長いバナナのような形をしているようです。とはいえ、木の中に産まれたら、私たちが見かけることはほぼ無さそうですねぇ。
では、次に卵の数を見ていきましょう。
卵の数は?
セミって何個くらい卵を産むと思いますか?
私はせいぜい10個くらいかなぁ、なんて思っていたんですよね。ところが、実際にはこれぐらいの数を産むんだとか...。
種類 | 卵の数 |
---|---|
アブラゼミ | 約300個 |
ミンミンゼミ | 約500個 |
ツクツクボウシ | 約400個 |
ニイニイゼミ | 約800個 |
も、ものすごく産むじゃないですかー(汗)
種類にもよりますが、大体300個から800個。これを10日間程で産むんだそうです。
- ちなみに・・・
もしかしたら、10日間で産むと聞いて、「あれ?セミの寿命って1週間じゃないの?」と思った方もいるかもしれませんね。
ところが、本当はセミの成虫って、1,2ヶ月くらい生きるんですよ。詳しくはこちらの記事でまとめていますので、興味のある方はご覧になってください。
他の虫と比較してみると
一般的に卵を産む生き物は、大人になるまでの生存率が少ないほど、多くの卵を産みます。つまり、成長の過程で死んでしまうので、とにかく大量に卵を産んで子孫を残す作戦というわけですね。
で、セミの300個〜800個という数は、他の昆虫と比べて多いのかと言いますと、
- そんなに多くない
みたいです...。
というのも、昆虫の卵を産む数って、大体10個〜10万個の範囲だと言われているんですよね。そう考えると、確かにセミって少ない...。
例えば、私たちの身近な昆虫の産卵数を比較してみると、
種類 | 産卵数 |
---|---|
カブトムシ | 20個〜30個 |
クワガタ | 30個〜50個 |
カマキリ | 約200個 |
バッタ | 500個〜1000個 |
トンボ | 3000個〜5000個 |
女王蟻 | 10万個 |
うーん、たしかに上には上がいますねぇ(汗)ただ、これは言い換えると、セミは昆虫の中では生存率は高い方ということです。
全生物の中で最も多くの卵を産むのはマンボウで、その数なんと3億個。
そして、その中で大人になれるのは、なんと2匹...。
一般的に魚類はたくさんの卵を産みますが、その中でもマンボウは別次元...。と言うのも、特に産んだ卵を保護することもなく、ただ産みっぱなし。
つまり、海中に他の生物のエサをばら撒いているようなものなんですよねぇ..。
では、最後に孵化した幼虫についてサラッと解説しますね。
卵からかえると
産卵された卵は、孵化して幼虫になるわけですが、孵化の時期には以下の2パターンがあるそうです。
- その年に孵化するもの・・・ニイニイゼミ、ヒグラシなど
- 翌年の6,7月に孵化するもの・・・アブラゼミ、クマゼミ、ミンミンゼミなど
私はてっきり、すべて翌年に孵化すると思っていたのですが、そうでもないんですねぇ。
で、孵化した幼虫は地面に潜るわけですが、どうやって木から移動すると思いますか?
「そんなの普通に下りるんじゃないの?」と思いますよね。
ですが、実際には下りるんじゃなくて、落ちるんだそうです...。
ま、まさかの飛び降り(汗)生まれたばかりの体に、そんなダメージを与えて大丈夫なのかと思いますが、敵に見つかる前に少しでも早く地中に潜るためだと考えられています。
こちらの動画で孵化の様子をご覧になれます。残念ながら飛び降りるシーンはカットされていますが、なんとなくイメージは伝わるかと...。
そうして、無事に地中に入ったら木の根っこから樹液を吸いつつ、長い時間をかけて成長していきます。地中にいる時間は種類によって異なりますが、大体これくらだと言われています。
セミの種類 | 幼虫の期間 | 成虫の大きさ |
---|---|---|
アブラゼミ | 5年〜6年 | 約60mm |
ミンミンゼミ | 3年〜4年 | 約60mm |
クマゼミ | 4年〜5年 | 約70mm |
ツクツクボウシ | 2年〜3年 | 約45mm |
ヒグラシ | 3年〜4年 | 約45mm |
だいたい3年〜6年で、体の大きなセミの方が長く潜っている傾向にありますね。
そうして、地中での生活を終えたセミは、再び地上に戻り喧しく鳴くというわけなんですねぇ...。
- ちなみに・・・
どうしてセミが、あんなにも喧しく鳴くかご存知でしたか?
実はアレ、求愛行動なんですよねぇ。詳しくはこちらの記事でまとめていますので、良ければご覧下さい。
※セミはどうして鳴く?理由からメカニズムまで一緒に見てみよう!
また、「セミがうるさくで我慢できない!」という方は、こちらの記事もどうぞ。
まとめ
いかがでしたでしょうか。セミがどこに卵を産むのかについて解説してきました。
木を削ってその中に卵を産むというのは驚きでしたが、それなら最初から地中に産めば良いのにと、少しだけ思ってしまいました。
翌年に生まれることを考えると、状況が変わりにくい木の方が良いんだよ。
な、なるほど...確かにそうですよね。すみません、浅はかでした(汗)
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。少しでもお役に立ちましたら幸いです。